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川口 宗彦 |
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| トルココーヒー行脚から二ヶ月が過ぎ、持ち帰った年代もののコーヒー器具を囲み、コーヒー談義に夢中になっている最中にトルコ大地震のニュースが飛び込んできた。 アンティーク市場を案内してくれた老人は、また、おいしいコーヒーをたててくれたヒゲのコーヒーマンは、また、百円の釣銭をわざわざ届けてくれた笑顔のすてきなホテルマンは、果たして大丈夫だったろうかと安否が気になる。 そんな中、現地から持ち帰れずコンテナに積み込んだ荷物が、つい数日前手元に届いた。いわば地震を逃れたコーヒー器具たちである。複雑な気持ちで開封し、およそ八十日ぶりの対面をする。 三百年前のコーヒーミル、オスマン帝国時代の銀のスプーン、コーヒー豆焼き器など。赤道を越え四十日間の船旅を終え、さらにストーリー性を加味したそれらは輝きを増し、今私の手元にある。 地震の被害は日々増大しているとのこと。何ら手助けできないはがゆさを感じながら、一日も早くトルコの街中に、コーヒーの香気が漂うことを願うのみである。 |
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