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川口 宗彦 |
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| 他国の珈琲(コーヒー)事情を尋ね歩く時は、まず古道具屋街をのぞくことにしている。 先月初め、トルコのイスタンブールに滞在した。珈琲飲用の歴史は、コンスタンティノープルに始まり、その歴史は古く、通称ターキッシュコーヒーは、日本でも有名な飲み方の一つである。 私の珈琲行脚の始まりも、このトルココーヒーだった。 長い柄のついたポットに、乳鉢で微粉状にしたコーヒーを入れ、沸騰させる。砂糖あるいは香辛料を加え、小さなカップでその上澄みを飲む。見るからに地獄のようなコーヒーである。 さて、そのトルココーヒーなるもの、御当地に行けば街角のあちこちにと思いきや、数軒のチャイハネ(喫茶店)をのぞいても、今や日常の飲み物としての地位を失い、そこでは茶(チャイ)が主流となっていた。正式には30分もかかる本式トルココーヒーは特別なものだった。 「日本からはるばるトルココーヒーを飲むために来た」と懇願すると、親日家の老人が案内してくれた先は、薄暗い回廊を右に左に、古道具屋街近くの古いチャイハネだった。そこには、思わず立ち尽くすほどのコーヒーがあった。 |
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