K's ANTIQUE店主
川口 宗彦
コーヒー牛乳
 瓶入りコーヒー牛乳というと、昨今では昔なつかしいという感がする。今でも時折その姿は見かけるが、自販機の缶コーヒーにその座を奪われ、寂しい存在になってしまった。
 旧国鉄の売店で紙ブタを爪で開け、口にするコーヒー牛乳は、どこかエキゾチックで牛乳という栄養価も手伝ってか、不思議な飲み物だった。
「コーヒーとの出合いがコーヒー牛乳だった」という人も多い。
 明治以降、コーヒーが日本に取り入れられ、まず豊かな階層に飲まれ、喫茶店がその普及を手伝い、そのコーヒーが一般家庭に普及したのは、インスタントコーヒーという、いかにも日本的な巧みな大衆化の波に乗ったためだ。
 さらに、昭和四十五年の大阪万国博で缶コーヒーが登場して以来、今日の缶コーヒーの普及は驚きである。そんなコーヒー普及の遷換の中で『コーヒー牛乳』は、コーヒーの世界ではあまり表に出ず、今もノスタルジックな雰囲気を保ち続けている。

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