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川口 宗彦 |
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| 三年前に西欧各都市のカフェ銘店を三十軒ほどめぐったときのこと。 日本の喫茶店と比較してみて考えさせられることが多かった。 まず、コーヒーは深焙(い)りで鮮度が良く、濃いめである。コーヒーと健康の因果関係が論ぜられることはないと言っていいほど「健康的なコーヒー」。そして、それを味わう空間の雰囲気がすばらしい。建物・内装の歴史的な重厚さも手伝ってか、しっとりと落ち着いた中に快活さがある。カフェの対話の中から新しい産業が芽生え、芸術が生まれたともいう。いわゆるコーヒー文化が今も街にとけこんでいる。 ある銘店では、二十五年前に座った椅子、壁の絵、カップ…、コーヒーまでもが当時のままの姿を守り通していた。 対して日本のカフェは隆盛期から半減している。コーヒーのある場所が分散してしまったのだろう。かつての銘店も次々と姿を消している。 …日本にしかない「缶コーヒー」を思うとなぜかわびしい感がする…。 ゆったりとしたコーヒー文化を築きたいものである。 |
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