K's ANTIQUE店主
川口 宗彦
国産コーヒー顛末記 後編
 収穫、果肉除去の豆、約二キロ(二百杯分相当)をゆだねられた。なんといっても初の作業は試行錯誤の連続。農家から脱殼機を借り受けての外皮の除去。なかなかうまくいかず「麻袋」に入れて軽トラックで轢(ひ)いてみたりもした(木村鳴子熱帯植物園園長は昔ながらの「一升ビン」脱穀で成功したという…少しクヤシイ)。
 十年前にお蔵入りさせた小型焙煎器を復活させ、いよいよ焙煎。ここまでの過程を日ごろこなしている産地の苦労に脱帽の思いがした。
 コーヒーミルから漂う強烈なアロマ、素晴らしいコーヒーが誕生するぞと胸がおどる。…抽出。ネルドリップからしたたり落ちるコハク色の液体!正真正銘「純国産コーヒー」の誕生だ。国産コーヒーを口にする。香・苦・酸ともに、中南米の高級品に劣らない極上品であった。コロンビア・スプレモに近いがそれ以上。「薄味であっさりしている」。残念なのは「熟成」をさせていないことだ。これに三年の年月の丸みを加えれば、オリジナルネーミングも可能だ。
 この一件は今月末の「コーヒー文化学会」で発表する。かならずやコーヒー文化に波紋を呼ぶことになるであろう。
 たかがコーヒーされどコーヒーの奥行きがさらに深まった国産コーヒーの充実そのものの顛末であった。
 植物園とわが「かうひいや」・「こぅふぃかん」では、試飲会の予定を立てている。大崎の多くのコーヒーフリークのために。

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